日本歯科医師連盟(高橋英登会長)は9月29日、第2回記者懇談会をアルカディア市ヶ谷で開き、日本歯科大学生命歯学部発生・再生医科学講座の中原貴教授が『バイオ再生医療と歯随細胞バンク』を演題に講演した。新聞・週刊紙・TV・健康情報誌などが取材に訪れ、講演終了後、活発な質疑も行われた。なお、中原教授は近いうちに再生医療に係わる議員連盟でも講演する予定だ。

 中原教授は「歯牙から取り出した歯随を用いて培養した歯随細胞は、従来の再生医療に利用されてきた骨髄細胞に比べ極めて増殖率が高い。短期間で多くの細胞を得られることは治療において非常に有効と考えられる。加えて、歯随細胞は培養の過程で染色体の異常が起こらないため極めて安全性が高いことが明らかになっている。さらに、歯随細胞は骨芽細胞や脂肪細胞、軟骨細胞など多様に変化するほか、神経細胞にも効率よく変化することが最近の研究で明らかになった。治療への応用としては、既にヒトへの臨床研究が行われている。また、動物実験の段階ではあるが、神経疾患、筋疾患、臓器疾患などに対し、歯随細胞を移植することによって回復や改善が認められる報告が次々に挙げられている」旨を述べるとともに、日本歯科大学で進めている『歯随細胞バンク構想』を説明した。その上で、「これまでの歯科には、口腔内を清潔にしないと口腔内や全身疾患につながるというイメージが伴っていた。しかし、これからは歯随細胞バンクの存在が将来の再生医療につながる明るいイメージをもたらすことができる。研究者、臨床医、患者さんの三者で再生医療に取り組むことが、これからの医療のあり方と考えている」とした。