東京地検特捜部は9月30日、日本歯科医師連盟前会長で現日本歯科医師会会長の髙木幹正氏(70歳)、会計担当副理事長の村田憙信氏(70歳)、元会長の堤直文氏(73歳)の3人を政治資金規正法違反(虚偽記入、寄付の量的制限超過)容疑で逮捕した。日本歯科医師会は髙木会長逮捕という事態に接し、10月1日、緊急理事会を開き、山科透副会長を会長代行とするなど次の3項目を決定した。

①会務執行の滞りを防ぐため定款第26条第3項「副会長は3名とし、会長を補佐し、会長に事故があるとき又は会長が欠けた時は、予め理事会で決めた順位に
従い、法人の代表を伴わない業務執行のみを代行する」の規定に基づき、今回
の状況を「事故があるとき」と判断し、予め理事会で決めた順位第2位である
山科透副会長を代行する者とする。

②本件に関し可能な限りの情報収集並びに提供を行うとともに、適切な対応を図っていく。

③平成27年10月22日、臨時代議員会を開催し、今後の対応並びに会務の円滑な執行に関する協議の場を設ける。

周知の通り、平成16年4月14日、当時の日本歯科医師会の臼田貞夫会長をはじめとする7名が中医協を舞台とする贈収賄事件で逮捕された。4月21日、臼田会長は弁護士との接見で、自身の進退を理事会に一任する意思を伝えた。井堂会長代理は翌22日の理事会で進退問題を協議、その結果、監事を除く理事者全員の辞表を預かることとなった。23日の接見で弁護士が理事会決定を臼田氏に説明した。こうした手順を踏み、臼田氏が日歯会長職の辞表を提出した経緯がある。

今回の事件の場合、逮捕された3名は容疑を否認している。その状況を勘案すると、事件の収束にはかなりの時間を要するものと思われる。そして、裁判が開かれる。裁判ではどのような判決が下されるか予測できないという意見も当然あるであろう。しかし、報道にある通り、11年前の事件で政治資金規正法が改正され、再び政治資金をめぐる疑惑を起こし逮捕という事態を生じさせ、さらに、国民の信頼を損ねた髙木会長らの責任は重い。国民目線・会員目線に立てば、日歯・日歯連盟が生まれ変わる第一歩は「髙木会長の辞表提出」だと指摘する声は多い。日歯執行部は10月22日の臨時代議員会を意義あるものにするために、意を決して髙木会長の辞表提出を実現すべきだと思う。