日本歯科医師連盟を巡る迂回寄付事件で捜査を進めていた東京地検特捜部は9月30日、日歯連盟前会長で現日本歯科医師会会長の髙木幹正氏(70歳)、会計担当副理事長の村田憙信氏(70歳)、元会長の堤直文氏(73歳)の3人を政治資金規正法違反(虚偽記入、寄付の量的制限超過)容疑で逮捕した。日歯執行部はトップの逮捕という衝撃に戸惑いを隠せない。とりあえず30日は、浅野正樹専務理事名で「本日、髙木幹正会長が政治資金規正法違反の疑いにより東京地検特捜部に逮捕されたという報道がありました。本会といたしましては、事態の推移を見守りつつ、対応について検討してまいります」という文書を都道府県歯科医師会に送付するとともに、翌10月1日に緊急の理事会を開くことを決定した。また、日本歯科医師連盟も同日緊急の理事会を開く予定だ。

逮捕容疑は、高木・村田両氏は2013年参院選の際、日歯連盟が擁立した石井みどり参院議員の関連政治団体「石井みどり中央後援会」に対して同年1月と3月に2回、日歯連盟から政治団体間の年間寄付上限額である5000万円を超過した計9500万円を寄付、さらに、うち5000万円については同年1月23日に西村まさみ参院議員の関連政治団体「西村まさみ中央後援会」に寄付し、石井後援会に同日、同額を寄付しており、これが「迂回寄付」に当たり、政治資金収支報告書に虚偽の記載をしたとしている。また、堤・村田の両氏は2010年参院選の際、実際は西村後援会へ日歯連から計1億円の寄付をしたのに、うち5000万円については同年3月30日に政治団体「民主党参議院比例区第80総支部」に一度寄付した後、約2カ月後に西村まさみ中央後援会へ同額を寄付し直し、嘘の記載をしたとしている(2010年の上限金額の超過違反は時効が成立)。

4月30日の日歯連盟に対する家宅捜索以降、当時の髙木日歯連盟会長は公式の場で「日歯連盟および石井・西村両中央後援会の団体は独立した政治団体であり、法律の制限の範囲内にある合法的な処理で形式的にも実質的にも合法だ」などと説明、日歯連盟の嘱託弁護士となった佐々木善三弁護士も「虚偽記載というが、お金の流れをそのまま記載しており、どこにも偽装工作はない。収支報告をガラス張りにしたい思いから政治団体を持った。その結果、資金移動が苦しくなったのであり、決して巧妙ではないし悪質という言葉もそぐわない。起訴できるような事案ではなく、早く捜査を終結させるように再三特捜部に申し入れており、冷静な対応をお願いしたい」旨を述べており、代議員・評議員諸氏に「起訴されるはずがない」と思わせるような事件に対する見方を示していた。