2月4日の朝刊で朝日新聞が「日歯連、5000万円迂回献金か」の見出しで報じたのを皮切りに、各紙が4日夕刊・5日朝刊で「日歯連盟が2013年に支出した政治資金のうち、同年の参院選で擁立した石井みどり参院議員の後援会に合計9500万円が渡っていたことがわかった」「政治資金規正法は政治団体間の寄付を年間限度額5000万円と定めており、日歯連盟から西村まさみ中央後援会に寄付された5000万円が即日、石井みどり中央後援会に迂回する形で寄付されているのは脱法行為」などと一斉に報じた。また、週刊新潮は2月12日号で、日歯会長予備選挙、次期参院比例代表選候補者にまで踏み込んだ構成で特集、この一連の報道により歯科界に衝撃が走った。

この問題は1月23日に開催された日歯連盟臨時評議員会で複数の評議員が指摘し、村田憙信副理事長は「同一団体間のこのような資金移動は極めてテクニカルな要素であり法的には問題ない」と理解を求めた(1月24日ニュースナウ参照)。そして、日歯連盟は1月27日「政治家個人への資金供与ではないため迂回献金には該当しない」「嘱託弁護士からも違法ではないとの回答を得ている」とする主旨の文書を都道府県歯連盟会長等に送付、さらに朝日新聞の報道を受け、日歯連盟は2月4日に都道府県歯連盟会長等に「日歯連盟と石井みどり中央後援会および西村まさみ中央後援会は独立した政治団体であり、それぞれの活動目的は異なっております。寄付行為も別個に行われており、各団体間の寄付行為も独立したもので政治資金規正法第22条第1条の量的制限の範囲にあることは監督官庁にも確認し、違法性のないことを確信しております。記事の中での指揮者の意見も直接に違法性を指摘したものではないこともご理解いただきたいと思います」という内容の文書を改めて送付した。

5日の参院予算委員会では、民主党の金子洋一参院議員が新聞報道を取り上げ、先ず「日歯連盟が監督官庁に確認した事実はあったのか。そして、違法性はないと答えたのか」と質問。高市総務大臣は「(質問通告がなかったので)総務省に問い合わせがあったかどうかの確認はしていない」とした。次いで、金子議員は日歯連盟内にある石井・西村両中央後援会の代表・会計責任者3名の委員会招致を要請するとともに、自民党総裁である安倍総理に「週刊紙記事では、野党内候補の会計責任者である砂川稔氏が日歯連盟の組織内候補として立候補する旨の報道がなされているが、もし、告発されるような事態になっても、自民党はこのような方を公認するのかを伺いたい」と質した。安倍総理は「全く承知していないので、今の段階で答えることはできない」と答えたが、せっかく日歯連盟が一つになって擁立した砂川氏にまで火の粉が飛ぶことになってしまった。

会員は髙木日歯連盟会長が与党との連携を強化したことを高く評価し、その証左として入会者数の増も実現してきた。その中での今回の疑惑は無念きわまりない。迂回献金と指摘されるこの問題について、臨時評議員会という公の席で「資金移動はテクニカルな要素」、即ちグレーゾンと受け止められるような発言は避けるべきではなかったのか、胸の閊えはおりない。